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荒地の家族

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失ったものは簡単には取り戻せない。傷が癒えることは無いのかもしれない。
それでも時は流れ、すべては通り過ぎていく。
そんな世界で前を向いて生きていくために。
第168回芥川賞受賞作。
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元の生活に戻りたいと人が言う時の「元」とはいつの時点か――。40歳の植木職人・坂井祐治は、あの災厄の二年後に妻を病気で喪い、仕事道具もさらわれ苦しい日々を過ごす。地元の友人も、くすぶった境遇には変わりない。誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。仙台在住の書店員作家が描く、止むことのない渇きと痛み。
(出版元ホームページより)

著者:佐藤厚志
発行:新潮社
2023年1月19日発行
サイズ:20cm/158p
ISBN:978-4-10-354112-7

【著者等紹介】
1982年宮城県仙台市生まれ。東北学院大学文学部英文学科卒業。仙台市在住、丸善 仙台アエル店勤務。2017年第49回新潮新人賞を「蛇沼」で受賞。2020年第3回仙台短編文学賞大賞を「境界の円居(まどい)」で受賞。2021年「象の皮膚」が第34回三島由紀夫賞候補。2023年「荒地の家族」で第168回芥川龍之介賞を受賞。これまでの著作に『象の皮膚』(新潮社刊)がある。

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